「ワクチン接種を受けよう」: ニュージーランドのギャングのボス達が団結。
子供達を守るために、年配者達を守るために、共同体を守るために、ワクチン接種を呼びかける一人一人のメッセージは、配慮に満ちており、心に響きます。
動画のメッセージには、先住民マオリ族の用語が幾度も出てきます。
その中で最もよく出てくる言葉が、「Whakapapa ファカパパ」。
それは、祖先、系図を意味し、伝統的なマオリ族の中心概念となるものです。
ファカパパは、地上界と精神世界、生物と無生物、既知と未知など、森羅万象を結びつける統合概念のようです。
ワクチン接種は自分のためというより、子供達、年配者達、共同体など、他の人達を守るために打つのだ、ということが語られています。
彼らはギャングのリーダーとして、体力、気力には人一倍の自信があるでしょう。
しかし、「私は既に打った。これは誰にも強制したくないので、自分で納得行くまで、しっかりと学んで判断してほしい」と言うのです。
エゴが剥き出しの自由主義や個人主義とは違う、マオリ族の伝統精神が、ニュージーランドで生きています。彼等の外見の印象と違い、意外にも、ほっとする内容のメッセージです。
ギャングのイメージが一変し、リーダー達の一人一人が、いかに共同体を大切にしているか、コロナ禍で起きている状況を、つぶさに観察し理解しているかが伝わってきます。
ストリートギャングを自認し、顔や首の入れ墨など、ごつい風態ながら、思いやりがあって、ホロリとする内容で、意外性に満ちています。
マオリ族同士は、相手の入れ墨を見て、どこの集落出身の、どういう立場の人かが解るそうです。
4つのギャングが、対立、抗争しているわけでもなく、世界的な危機の中、それぞれのメッセージを合同で出し、ともに呼びかけているのです。
ニュージーランドの選手達が、マオリ族でなくても、試合の前に手を叩き、足を踏み鳴らし、雄叫びを上げ、マオリ族のハカを踊るように、マオリ族の伝統がニュージーランドの誇りとして国民に継承されている、その理由の一端を見た思いです。
以前見た英国 The Guardian 紙の動画をご紹介します。
このリーダー達の優しさ、子供達や年配者達、共同体への配慮に深く感謝します。
'Get vaxxed': New Zealand gang leaders unite to urge community to get vaccinated – video | World news | The Guardian
「ワクチン接種を受けよう」: ニュージーランドのギャングのリーダー達が団結し、予防接種を受けるよう促す:ビデオ 4:26
マオリ語の単語は別として、語られている英語はシンプルです。