メイの記録 Ⅱ

情報戦サバイバル

ファイザー『元副社長』という虚構に群がる人達

マイケル・イードン氏の肩書きを、海外の正常な記事は、「元ファイザーの従業員」「元ファイザーの科学者」「元ファイザーの博士」といった英語表現を用いている。

彼は決して副社長のような立場であったことはなく、米国の本社でも、英国の支社でも勤務せず、英国の地方にある一研究所の主任研究員だった。

しかも彼が勤務していたのは、コロナパンデミックの遙か以前であり、ワクチンとは無縁の研究施設だった。

 

「元・ファイザー副社長」という偽りの訳し方、虚偽の肩書きは、2021年に、マルチリンガル医師が論破しておられ、当時、私は他で紹介させて頂いたことがある。

 

 

「反ワクチンのヒーローになった元ファイザーの科学者」

 

ファイザーの従業員マイケル・イードン博士は、マイク・イードンとも呼ばれ、新型コロナワクチン反対派のヒーローであり、教祖的な存在になっている。

彼については、知られているようで、あまり日本ではよく知られていない。
しかし、磁石のように引き寄せられ、同調する人達がいる。


意図的に歪曲し誇張する場合に、「元・ファイザー副社長」という肩書きが彼に付与されている。

 

彼のいたファイザーの研究所は、アレルギーと呼吸に焦点を当て、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患COPD)などを研究し、その薬の開発を行っていた。

そこで彼は16年間働いたが、その前の職場では、大気汚染物質と気道過敏性の研究をし、大学では、麻薬性麻酔薬と呼吸の研究をしていた。

従って、ワクチン開発とは全く畑違いの分野であり、彼の専門分野と知識を見る限り、ワクチンに関しては、殆ど素人に近いか素人以下らしい。

 

現に、コロナウイルスパンデミックに関する彼の預言は全て外れ、英国民の信頼を失い、おそらく家族の信頼も失ったか、彼は単身渡米し、そこで職探しをしていた頃、彼自身が公開していたプロフィールを私は見たが、ワクチン関連の仕事に就いたこと、研究したことは、正直に、一言も書かれていなかった。大学での専攻も全く畑違い。


彼に磁石のように引き寄せられる人達は、彼の立場に関して基本的な誤認がある。

彼がファイザーに居たのは、2011年迄であり、2020年に始まったパンデミックの9年前に、彼はファイザーを退職している。

新型コロナ流行の9年前にファイザーの研究所を辞めた彼が、在職中に新型コロナワクチンを知る機会はゼロである。


しかも、ワクチンとは畑違いの分野に、彼はあたかも専門家の如く装って発言してきたことで、大いに信頼を失い、母国に居たたまれなくなったことが単身渡米の理由かも知れない。

彼がコロナについて自信満々に断言したこと、預言したことが、明らかに誤りであることが、次々と実証されてしまった。


英国におけるパンデミックの展開についても、彼の予測は完全に外れ、あれもこれも的外れだと指摘されていた。


彼は2021年4月、米国に移住した。

研究所での元同僚も、唖然としていたほど、特にパンデミックになってからの彼の言動は酷かった。


ファイザー社が、新型コロナ登場の9年前に、なぜ彼のいた研究所を閉鎖し、解雇したかは不明だが、リーマンショック後の立て直し、英国における大気汚染の軽減や喫煙率の低下からアレルギーを調べる研究所は不要になったか、施設の老朽化かも知れない。

思うほど実績が上がっていなかったのかも知れない。

そして、彼と同僚達は、彼等の考える新たなプロジェクトに夢を託し、ファイザー社がそれに乗っかり、資金提供してくれると期待したが、ファイザー社は、その甘い話に乗ってこなかったことも、訣別の一因かも知れない。


自信満々の研究員達が望む方向に、社として推し進めるわけに行かないと、ファイザー社は見抜いていたのかも知れない。

もし彼がワクチンの専門家なら、支社や米国本社への転勤もありえただろうが、あいにく、彼と同僚達の専門は、全くワクチンではない。


研究所の閉鎖に伴い、彼はファイザー社の職を失った。


同年、彼は研究所の同僚3人とともにバイオテクノロジーの会社を立ち上げ、彼が代表になった。
その会社は、アレルギー、炎症などを研究し、薬の開発を行った。
やはり、ワクチン開発とは無関係。

やがて、その会社は、スイスの製薬会社ノバルティス社に買収された。マイケル・イードン博士達の開発していた経口の湿疹薬が、中~重度の湿疹に大変期待できると言う話を真に受けての買収だったようだ。
買収額は明かされていないが、少なくても3億2500万ドル+アルファとのこと。

しかし、マイケル・イードン博士達が開発し宣伝していた経口の湿疹薬が、初期段階の臨床試験においてさえも有効性が認められず、失望的な結果となったため、ノバルティス社は投資した開発プロジェクトを打ち切り、莫大な損失を出して終わった。

スイスの国際的な製薬会社にまで幻想を本気で抱かせたほど、謳い文句が魅力的で宣伝上手。相手を本気にさせ、金を出させ、大手企業をも手玉に取るほど演出に巧みということだろうか?

 

ファイザー研究員で新会社代表のマイケル・イードン博士を信じて大損害を出したノバルティス社とは対照的に、ノバルティス社による買収で数百万ドルを手にした彼は、そういう方面での才能が大いにあることを示している。

 

もしもファイザー社が、彼の夢を叶えるべく、新規事業開発に大金を出していたなら、ノバルティス社と同じ失敗をしたに違いない。

 

マイケル・イードン達の熱烈な主張に一切同調することなく、研究所を閉鎖し、距離を置いて、ファイザー社は大正解だったということのようだ。


科学者として証拠を示すことなく、彼はコロナワクチンで女性が不妊になる危険を煽り、今や、それが世界中を駆け巡っている。その影響力は甚大だ。

かつて博士と一緒に仕事をした人達は、彼が声の調子からして変わってしまい、もう科学者としての姿勢ではなく、無責任で危険だとして、彼の変容ぶりに唖然としている。

 

地道に大気汚染の影響とアレルギーを研究していた頃と違い、その後、中身を伴わない儲け話で大金を手にし、尊大になってしまったからだろうか?
一体何が彼をそこまで急激に変えてしまったのだろう?

そのヒントを彼自身が明かしている。

 

2020年1月、マイケル・イードン氏は、こうツイートした。

「奇妙なことに、私はバイオテクノロジー企業の創設と成長から何百万ドルも稼ぎ、博士号と説得力を利用して、世界中で多くの高給与の仕事に就いた。」

「奇妙なことに」つまり、彼の実力をはるかに超えた大金が舞い込んだことを意味する。

「説得力を利用して」とは、元ファイザーの・・・という肩書き効果が絶大だったようだ。

「世界中で多くの高給与の仕事」とは、彼の専門であるアレルギー性呼吸器疾患、環境汚染との関連からして、特に中国から珍重された可能性が高い。

 

その後、パンデミックが起き、改めて彼の出番として、ファイザーワクチンの効能を否定し、自分を解雇したファイザーに復讐し、逆に中国ワクチンの世界市場進出を有利にする立場で、更に金銭が舞い込む、ということは、果たして、なかっただろうか?

 

彼がファイザーのワクチンを叩いて売れ行きを鈍らせ、そこを中国の会社が安く買い叩いて、中共幹部達や富裕層にワクチンを高く売りさばく。そして、性能の劣った中国製ワクチンを世界市場に普及させるという筋書きは、彼の知り得ぬ背後に無かっただろうか?


マイケル・イードン博士自身が書いた内容によると、彼が生後18ヶ月の時に母親が自殺した。医師である父親は、彼が16歳の時に彼を捨てた。

よほど彼が反抗的で手に負えなかったか?ひねくれ者だったか?父親が意固地だったか?

息子に絶望して縁を切るとは、お互いに、よほど腹に据えかねる、許せない状況だったのだろうか?

父に捨てられた彼を、地元のソーシャルワーカーが手助けをし、ある暖かいユダヤ人家族のもとに養子として彼は引き取られ、それから彼の人生は好転したという。


自殺した母には生後18ヶ月で見捨てられたも同然で、16歳で父に見捨てられ、16年勤めたファイザーに解雇され、彼にとっては三度目。

いつか必ず復讐したい、見返してやりたいという気が沸々としていたとしても不思議ないだろう。

 

彼は、ともに失職した3人の同僚とともに新会社を立ち上げ、代表となり、ほんの数年後、高額で大企業に買収されたことで億万長者になれた。

何かにつけて元ファイザーの・・・と言うことで、肩書きを最大限に利用してきたはず。


偽予言者なみに、コロナに関し、彼の言うことは、次々と外れたことが指摘されている。彼の家族は英国で大恥をかいたとしても不思議はない。

すると今度は、妻や成人した二人の娘から見捨てられることもあり得る。

四度目を体験する前に、彼は反省し、変わることができるのだろうか?

英国で一躍有名になったものの、信用を失い、アメリカに単身移住した彼は、どうなったのだろうか?

その後も主張を変えていないようだ。

 

どうやら、子供時代のトラウマと恨み、強そうな反抗心と意地、元ファイザー社という肩書きを持った高いプライド、億万長者への大変身、虚言反復、人々の歓心を買うことによる利益、相手の大失敗と自己の大成功、誇張めいた経歴、怪しい検証姿勢、中共が大喜びする言動、カリスマ的に担ぎ上げられた裸の王様・・・・なのだろうか?

学歴詐称しハッタリ屋で有名だったカルト教祖と、どこか重なるところがないだろうか?

 

統一教会の教祖が学歴詐称して早稲田大学卒業と言っていたのを、かつて鵜呑みにしていた信者や元信者の一部が、今度はマイケル・イードン氏を、元ファイザーの副社長として鵜呑みにし拡散している姿は、鬼気迫るものがある。

 

イードン氏は、アフリカのザンジバル諸島に反ワクチン派達の共同体を設立すると約束する団体に資金を提供した。多くの資金が寄せられたと思うが、反ワクチン派の理想郷は、果たして実現したのだろうか?

 

2020年11月のトーク番組司会者ジュリア・ハートリー=ブリュワーとのインタビューで、イードン氏はパンデミックが「英国では根本的に終わった」と虚偽の発言をした。


イードン氏は、「(コロナ)ワクチン接種を受けた女性は本質的に不妊になってしまいます」と発言したが、複数のファクトチェックにより、誤りであることが指摘されている。

むしろ、ワクチン接種を受けなかったために、コロナに感染した妊婦が胎児とともに亡くなることが、特にブラジルのように、反ワクチン派大統領の時に頻発した。

 

下記の記事等を参照しましたが、私の英語読解等に誤りがありましたら、どうぞ、ここのコメント欄にて、ご教示下さい。

 

「反ワクチンのヒーローになった元ファイザーの科学者」

The ex-Pfizer scientist who became an anti-vax hero.

https://www.reuters.com/investigates/special-report/health-coronavirus-vaccines-skeptic/

 

www.multilingual-doctor.com