メイの記録 Ⅱ

情報戦サバイバル

反ワクチン派の理想郷:マダガスカル

コロナワクチンの接種率が世界一低い国、マダガスカル

マダガスカル産の薬草液が新型コロナの予防と治療に効くとして、大統領が自ら大々的に宣伝し、輸出までした。
しかし、その薬草効果の根拠は不明確で、批判を浴びていた。

 

コロナワクチン不要説を唱える大統領は、不都合な発言者達を投獄し、言論弾圧が繰り返された。

しかし「奇跡の薬草」は効を奏さず、マダガスカルにも新型コロナの感染が拡大していった。
患者が急増しすぎて病院は満杯となり、複数の学校、ホテル、コミュニティセンターまで病院に改造され、コロナ患者の収容施設になった。

イベルメクチンも役に立たず、棺桶が大量に必要となり、墓地は土地造成して続々と作られた。


結局、マダガスカル国立医学アカデミーの専門家達が言っていた通り、海外からワクチン供与を受ける必要がある、もう残された方法は、それ以外に無いと判明した。

こうしてマダガスカルは、アフリカ諸国の中で、最も遅くコロナワクチン接種をスタートした国の一つになった。

まだ、世界で最もワクチン接種率が低い国、マダガスカル
反ワクチン派が移住するには最適の、最後の理想郷が、そこにある。


マダガスカルは、反ワクチン派から「アフリカの奇跡」と呼ばれ、称賛されていた国の一つであり、当初、新型コロナの感染者が少なく、イベルメクチンで守られているからだと言われていた。イベルメクチンがあればワクチンは要らない、その模範と見られていた。

マダガスカル大統領やWHOについて反ワクチン派が引用した記事の9割は偽情報で、そもそも、マダガスカルの大統領報道官も、大統領自身も、WHOも、関係者達も、そうした記事の内容について否定したほど、怪しい情報ばかりだった。

 

反ワクチン派が鵜呑みにした偽情報の出所は、アフリカのタンザニアで、そこは、以前も偽情報を拡散したことで問題になった国。

タンザニア社会主義国で、タンザニア人民防衛軍を持つタンザニア革命党が強い権力を長年に渡って握っている。
旧ソ連とも仲は良かったが、特に中国と緊密な関係にある。

中国が偽情報を流す場合、イギリス連邦に属するタンザニア国内から発信させると、先ず世界の英語圏に広く拡散しやすい。しかも情報工作の費用は格段に安く済むので、格好の条件が揃っているようだ。

何としてでもワクチンを不要の存在、悪の象徴とするための、あらゆるインチキ情報が飛び回っている。

ただ、マダガスカルの大統領が反ワクチン派として地元の薬草に頼っていたことは事実。


当時幸福の科学幹部だったO氏も、教祖を見倣った反ワクチン派として、YouTubeでアフリカのコロナ状況を絶賛しまくっていた。しかし、フタを開けてみれば、マダガスカルのように、事実は真逆だった。

 

なお、コロナパンデミック前に書かれた JICA の分析によると、マダガスカルにおける死亡の約3割は予防可能な感染症が原因で、結核による死亡率は非常に高く、結核の高蔓延国として位置づけられている。

 

コロナワクチン導入前のマダガスカル
病院も棺桶も間に合わず、次々とホテルや学校等をコロナ患者の病院にし、墓地の拡大造成をするマダガスカル

 

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