メイの記録 Ⅱ

情報戦サバイバル

「偉大なリーダーの共通点は…」by北野幸伯

★「偉大な指導者」と「ただの独裁者」の違い

北野幸伯氏の最新メルマガ(ダイレクト出版)から、ご紹介させて頂きます。

 

アメリカ建国の父、初代大統領は
ジョージ・ワシントンです。

彼に関しては、
「黒人奴隷を使っていた農場主」
ネイティブ・アメリカンを殺しまくった」など、
今の私たちから見ると「黒歴史」もあります。

その一方で、尊敬すべき点もあります。

ワシントンは、
1775年から1783年まで続いた
イギリスからの独立戦争
総司令官を務めました。

戦争に勝利したとき、
側近の一人がワシントンに言ったそうです。
「これはあなたの勝利です。
アメリカの王様になればいいでしょう!」と。

ワシントンは、そう進言した男に、
「2度とバカなことを言うな!」と一蹴しました。

当時は王国が一般的でした。
ワシントンがアメリカの王様になっても
少しも変ではなかったでしょう。
しかし、ワシントンは、
王になることを望みませんでした。

1789年、アメリカ合衆国ではじめての
大統領選挙が実施されました。
ワシントンは、
初代大統領に選出されています。

彼は、4年の任期を二期、
つまり8年間大統領職を務め、
3期目の出馬を拒否しました。

ワシントンの人気は絶大だったので、
彼が望めば、3期でも4期でも
続けることができたでしょう。
終身大統領になることも
可能だったに違いありません。

しかし彼は、2期目が終わると
さっさとバージニア州の自宅
マウントバーノンに戻り、
農園経営をしたのです。

もう一人。

日本で最も尊敬されている政治家といえば
台湾の李登輝総統でしょう。
蒋介石蒋経国親子の
独裁国家だった台湾を民主化し、
世界中で尊敬されています。

李登輝さんは1923年、
日本統治下の台湾で生まれました。
1945年の敗戦、
つまり22歳まで日本人だったので、
日本語ネイティブでした。

李登輝さんは1984年、
蒋介石の息子で独裁者の
蒋経国政権で副総統になります。
1988年、蒋経国の死後、
総統に就任しました。

1996年、台湾で初めての直接選挙に勝利し、
2000年まで総統を務めました。

問題は2000年に起きました。

2000年の総統選挙に、
李登輝さんは出馬しませんでした。
そのこと自体、すでに立派です。

国民党から総統選に出馬したのは、
李登輝さんの弟子の連戦さんです。
ところが、連戦さん、
総統選の結果は3位でした。

総統になったのは
民進党陳水扁さんだったのです。

台湾で、初めて政権交代が実現した瞬間です。

連戦さんは、自分が不人気で負けたのですが、
李登輝のせいで負けた!」と八つ当たりします。

この時李登輝さんは、
台湾総統であると同時に、
国民党の党首でもありました。

連戦さんは、李登輝さんに、
「敗北の責任をとって、
党首をやめてください!」
と要求しました。

あまりにも理不尽な要求ですが、
李登輝さんは、
「そうか、ではそうする」と言って、
辞任したのです。

李登輝さんは翌日、
記者から「今の気持ちは?」と聞かれ、
「人間というのは、
権力の座に就く時もあれば、
そこから退く時もある。
これはあくまでも
自然の摂理に過ぎない。
どうということもない。
とてもさっぱりしたよ」
と答えたのです。

李登輝さんが、
習近平プーチンのような人物だったら
どうでしょうか?
連戦さんは、
翌日心臓発作で亡くなったことでしょう。

▼偉大な指導者とただの独裁者の違い

さて、ワシントンと李登輝さん。
二人の偉大な指導者の共通点は、
「権力に執着しなかったところ」でした。

一方、「ただの独裁者」習近平
2018年、国家主席の任期制限を
撤廃する憲法改定を行いました。
それまでは、1期5年2期まで、
つまり一人10年までだったのです。

今は誰でも、
習近平は終身国家主席になるつもり」
であることを知っています。

もう一人、現代を代表する
独裁者と言えばプーチンです。

彼は12月8日、
来年3月に実施される大統領選挙に出馬する
意向を表明しました。
5選目(!)になります。

ちなみにロシアの憲法では、
「同一人物が大統領になれるのは2期まで」
と規定されていました。

それでプーチンは、
2000年から2008年まで2期務め、
大統領をいったん辞めたのです。

メドベージェフが大統領になり、
プーチンは首相になりました。
弟子のメドベージェフは、
大統領1期の任期を4年から6年までに
延ばす憲法改定をしています。

これは、もちろんプーチンが「させた」のです。

2012年、プーチンは、
「1期休んだからまた大統領になれる」
という強引なロジックで返り咲きました。

そして、2018年の大統領選挙に勝ち、
4期目(!)に突入したのです。
それでも飽き足らないプーチン
2021年、憲法改定を行いました。

憲法が新しくなったので、
プーチンが今まで4期
大統領を務めたことは「リセット」され、
「後2期12年大統領でいられる」ことになったのです。

あまりにもハチャメチャな論理で、
あきれてしまいます。

これらの事実からわかるのは、
プーチンは、何が何でも
大統領でい続けたいのだな」
と言うことです。

潔く権力を手放した
ワシントンや李登輝さんは、
「偉大な」と称される
歴史的指導者になりました。

しかし、権力に固執し、
国にあらゆる問題を起こしても
権力に居座り続ける習近平プーチンは、
「悪の独裁者」として、
歴史に汚名を刻むことでしょう。

ワシントン、李登輝さんと
習近平プーチンの違いはなんでしょうか?

ワシントンは、
アメリカ独立のために働きました。
李登輝さんは、
台湾が立派な民主国になるための
改革を断行しました。
二人とも、
自国のよりよい未来を願っていたのです。

一方、習近平は、
中国経済をボロボロにしています。

プーチンは、無益な戦争をはじめ、
ウクライナ人と自国民(ロシア兵士)を
殺しまくっています。

この二人の共通点は、
国益よりも、自分が大事」
であること。

つまり習近平プーチンは、
【 自分ファースト 】 
なのです。

だから、中国とロシアは、
先に進めば進むほど、状況が悪化していく。

世界は、シンプルにできています。

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引用終わり

 

かつて、強烈なナルシストであるカルト教祖に魅せられた人達が、今や、プーチン達に魅了され、引き寄せられています。

それが、揃いも揃って熱狂的な反ワクチン派。

 

傍から誰かが止めようとしたところで、ムキになって逆効果。

行き着くところまで行かないと、身をもって学ばないパターンなのでしょう。

誰しも、多かれ少なかれ、そういうところはあろうかと思いますが。

 

彼等は、カルト教団に搾取され、まともな情報に金銭を費やすことが、人一倍少なく、手頃な情報で間に合わせようとするので、尚更、質の高い情報を得にくい状態にあります。