メイの記録 Ⅱ

情報戦サバイバル

Qアノン信者の家族に大悲劇:米国

 

反ワクチンの急先鋒と見られているQアノンの信者が、妻と愛犬を射殺し、娘に重傷を負わせた。米国ミシガン州で昨年起きた事件。

 

Qアノンと「ディープ・ステート」説に夢中になり「過激化した」男は、妻と飼い犬を射殺し、娘に重傷を負わせた後、駆けつけた警官達にも発砲したため射殺された。

男の、もう一人の娘だけは、友人宅に泊まっていて無事だった。

QAnon の政治的陰謀論が父の精神的な健康を堕落させた、と彼女は非難した。

 

「ワクチンは私たちを殺し、実際には効果がなく、5G は人々に危害を加えるためにあると、父は考えていた」と、無事だった娘リベカは語った。


地元のオークランド郡保安官事務所によると、2022 年 9 月 11 日(日曜)午前 4 時 11 分頃、「父に撃たれた」と娘からの911緊急通報を受けて、ウォールド レイク、グレンウッド ドライブの自宅に駆けつけた。

すると、53 歳のイゴールラニスが正面玄関から出て来て、レミントン870 ポンプアクションショットガンで発砲してきたため応戦し、彼は射殺された。

警察は、25歳の娘が「家から這い出ようとしている」のを見て、緊急手術のために彼女を地元の病院に搬送した。
彼女は現在、安定した状態であり、銃撃で負傷した警察官はいないと保安官事務所は語った。

当局が自宅を捜索したところ、男の妻(56 歳)が「背中を何度も撃たれ」て殺されていた。「彼女も玄関から逃げようとしていたようだ。また、飼い犬も何度も撃たれて殺されていた。」


The Detroit News によると、不在で無事だった娘レベッカは、日曜日に Reddit でその洞察の一部を共有した。

「今朝、私のQオヤジが家族を射殺した」というタイトルの投稿で、父は2020年の大統領選挙でドナルド・トランプが敗北した後、QAnonフォーラムを探したという.

「彼は不正選挙、トランプ、ワクチンなどに関する陰謀論を読み続けた。」

「彼はいつも、私たちを安全で健康に保ちたいと言っていた。陰謀論への没頭は悪化の一途を辿り、彼は数回、言葉で私たちに噛みついたが、誰にも暴力を奮ったことはなかった。」

「9 月 11 日(日曜)の午前 4 時ごろ、彼は私の母と口論になり、銃で母と犬と姉を撃った。」

 

デトロイト郊外の自動車産業の従業員であるイゴールラニス(53)は、妻のティナ・ラニス (56) と娘のレイチェル・ラニス (25) の二人が、日曜の早朝、家から車で出ようとしている時に口論になった、とレベッカラニス(21)は語った。

家にいなかったレベッカラニスは、何が致命的な議論になったかは知らないと言う。
彼女は、父、母、姉が政治や陰謀論について口論していたのではないかと疑っている。

父は、5Gとワクチンに関する QAnon 関連の陰謀論のワナにはまり、信じ込んでいたという。

陰謀論に何の対策も取らなかったソーシャルメディアのサイトに責任がある、と私は考えている」そう彼女は語った。


レベッカラニスは、友人の誕生日に出席するため、「たまたま」事件に遭遇しなかったと語った。彼女の父に犯罪歴は無いが、この 1 年で「更に扇動されていた」という。

 

「父は昼も夜も、一日中スマホやノートパソコンで(陰謀論を)読み続け、最も些細なことに本気で腹を立てていた」と彼女は書いた。

「父の、のんきで陽気な人格は無くなり」
「まるで悪魔に乗っ取られたようだ」

「くそったれ、Qアノン」そして娘は投稿の最後に書いた。
「FBI がお前達の取り締まりを強化し、とても多くの人々を毒で汚染した怠け者達が、刑務所(そして地獄)で朽ち果てることを願っている」と。

 

以前は理想的な父親だったが、Qアノンの思想に取り込まれてから、父の気分と気質が著しく低下したという。父は自動車デザインの仕事をしていた。

 

「私は父から、ずっと警告サインを感じ取り、徐々に距離を置き始めました。」

「悲しいことに、妹も母も愛情が深過ぎて、彼が実際にこんなことを言うなんて信じられませんでした。読者の皆さん、手遅れになる前に、恐れずに接触を絶ち、助けを求めてください。」

 

「本当にショックなことですが、誰にでも起こり得ることです。」

「右翼過激主義は面白くない。人々は警戒する必要があり、銃を持っている場合は隠すか通報する必要があります。これは制御不能だから」と彼女はデトロイト・ニュースに語った。 

 

 

左から、重傷を負った姉レイチェル、父、母、レベッカ。2004年
レベッカラニス提供

 

  

Rachel Lanis.

父に背中と両脚を撃たれ重傷を負ったレイチェル、殺害された愛犬サミー
レベッカラニス提供

 

父にショットガンで背中と両脚を撃たれた長女は、両脚の感覚が無いとのこと。

医師は、彼女が一生歩けるようになるか判らないという。
愛犬もショツトガンで数回撃たれ、母は拳銃で背中を少なくとも4回撃たれた。

 

たとえ危険でないように思えても、Qアノンは危険だということを、妹は強調している。

 

事件以前、姉 Rachel と無事だった妹 Rebecca Lanis
nu-detroit.com

 

事件を伝える妹の投稿

犯行現場

地元警察始まって以来、警官による初の発砲、初の銃撃戦だったという。

よほど治安の良い地域らしい。

 

昨年読んだ複数の記事からご紹介しました。

www.huffpost.com